ロックフェスティバルのLollapaloozaのために、わざわざ家族でボストンからシカゴに来ています。
去年のフェスティバルのときに今年のチケットを購入したので、夫も私も今年こんなに忙しくなっているとは予想しなかったのです。でも、2人ともなんとか一番大変な部分をいったん終えてから来ることができました。
シカゴに来る前の3日間の睡眠時間は合計で11時間くらいかな。
「今夜はゆっくり寝てやるぞ〜」と思っていた最初の夜、娘が片脚のみ激しい痛みを覚え、次の日にボストンのかかりつけの病院に電話したところ、「深部静脈血栓症」の可能性がある、ということでノースウェスタン病院の救急部にかかることに。幸いすぐに診てもらえ、超音波検査もしていただいてクリアし、午後3時ごろにLollapaloozaに舞い戻りました(ほっ)。ノースウエスタン病院の救急部はとてもてきぱきしていて、親切でした。
シカゴ、というと日本だとマフィアのイメージあるかもしれませんが、モダンで綺麗で、人々はボストン界隈よりも暖かい感じです。芸術面でも美術館、音楽、すばらしものが沢山あります。美味しいものを食べに行く暇がないのですが、沢山美味しいレストランがあることで有名ですし、いい所です。
そして、この Lollapalooza。
大都市のど真ん中で、約150のバンドと65000人以上の観客を集める膨大な規模のロックフェスティバルを平然とやってのけることができるシカゴには脱帽です。しかも、この規模のフェスティバルにありがちなケイオスを目撃することがありません。
会場の散在する8つのステージからアクセスできる多くの場所に豊富な数の簡易トイレがあり、私は一度として「待つ」ことがありませんでした(空いてるトイレがいくつもあることに気付かず、同じ場所にかたまって待っている人はけっこういましたが)。
ノースウエスタン病院が出張してきている救急部テント、熱中症を起こしそうな人が涼むことができる場所、ボトルを持って行けば無料で飲料水を補充してもらえるウォーターステーション、水飲み場 ...実に感心することばかりです。また、セキュリティもなかなかのもの。
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Lollapaloozaの楽しさは、いろいろなジャンルの音楽を一カ所で楽しめることです。私にとっては寿司、ピザ、ローストビーフを少しずつつまみ喰いできるパーティのような感じです。いろんな音楽のファンが集まるので、高齢者が肩身の狭い思いをすることがありません。どんな年齢の人でも、遠慮せずに行けるのが良いところです。
地中海とバルカン半島の伝統的音楽にヒップホップとダンスビートをミックスし、しかもジャマイカのダブの影響を受けている、という非常に面白いサウンド。思わず身体が踊りだす、すごいパワー。もし、このバンドのライブに行くチャンスがあったら、絶対に逃すべからず!相当おすすめのバンドです。
Mavis Staples
マーチン・ルーサー・キング牧師がお気に入りだったということで有名なゴスペル歌手。70歳の現在も若々しくパワフルな声とパーソナリティは健在。
The New Pornographers を娘と一緒に観るつもりでステージにすごく近い場所にいたら、立っているのも大変な状態に。このままで1時間も待ち、その後演奏だということに恐怖を抱いて、私だけ脱走。そのまま会場の反対側で演奏する Devoを観に行く事にしました。
歩くのが相当速い私でも人ごみをかき分けて15分かかる場所になんとか無事到着。横からですが、けっこうステージに近い場所を確保。
Devoああ懐かしい!みんなちょっと歳とって、太めになってますが、 Devoらしさはそのまま。楽しいステージでした。
The New Pornographers
でも、心惹かれるのは反対側で同時に行われている The New Pornographers.ふだんツアーをしない Neko Case が今日は歌っている予感がするので、途中だったけれど、必死に歩いて戻りました。
努力が幸いして、なんとかChallengerに間に合いました。すると、やはり Neko Caseが歌っているではありませんか!嬉しくて踊っていると、隣りにいた2人の背が高くてスキニーな若い女性2人がウチワで風を送ってくれました。あらら...(一人は写真の右端にいるブロンドの女性)
The Black Keys可もなく不可もなく。
Jimmy Cliff今年ロックの殿堂入りしたレゲエロックのジミー・クリフは、「なんでこんなに元気なの〜?」と言いたくなるほど元気。オリジナルのダンスがまたかわゆい。ステージのまんなかの真ん前で観ました。写真に写っている頭はカメラマンのもの。
下のは、Lollaのオフィシャル写真。小さく私の姿も見えます
Lady Ga Ga
そしてまた、反対側にある一番大きなステージ Parkwaysへ。
すでにぎっしりなので前に行くのは無理。そこで遠くから。花火はばんばん打ち上げるし、徹底的に派手でした。酔っぱらい多発。(iPhoneのバッテリー切れで写真なし。後で娘からもらいます)
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二日目病院に行っていたので、スタートは遅かったのですがなんとか Gogol Bordelloに間に合いました。
Gogol Bordello知人から「絶対に観るべし」と言われていたのですが、予想以上に楽しかった。この時点では、 Ga Ga ねえさんをはるか〜に飛び越えて、一番面白いバンドでしたね。というか、 Ga Gaねえさんの曲は音楽的にはあんまり面白くないから(私にとって)。
ステージ左端の緑色のシャツを着た女性は、手話通訳さん。踊りながら通訳するのがとっても素敵。
バンドのインフォは日本語のWikiを観ていただくのが一番てっとりばやいと思うのですが、いろいろな民族音楽をごっちゃ煮にしたようなこの音楽体験を説明するのは、ちょっと難しいです。原始的な感情にそのまま直接訴えかける彼らの音楽は、バンドメンバー同様に、移民が集まるアメリカ合衆国をそのまま象徴しています。ともかく、音楽が少しでも好きな人であれば、絶対に踊りだしたくなる、扇情的なサウンドです。来日もしているようですが、チャンスがあればせひトライしてください。
AFIライブの面白さは、レコーディングされた曲と異なり、バンドの実力がはっきり出てしまうこと。私はAFIの曲をいくつか持っていますが、ライブは予想以上につまらなかったです。
Spoon初めての体験でしたが、良い意味でライブで実力がわかったバンドです。非常に気に入ったバンド。これもチャンスがあったら体験していただきたい。
Empire of the SunDJ専用のステージ Perry'sで演奏したオーストラリアのダンスミュージックバンド。ショーとしての見せ場はなかなかありますが、サウンドは予想よりつまらなかったです。この手の音楽がそんなに好きでないからかもしれないのですが、レコーディングに比較してのライブの音楽が良いとは思わなかったという意味です。単純すぎるサウンドはあまり好きじゃないんです。
Green Day彼らのライブを観るのは初めてなのですが、ライブが非常にすばらしいバンドだと感心しました。
これだけ有名になっても有名になる以前の自分たちを忘れていない。Billie Joe Armstrongは観客がライブに何を求めているのかを知り尽くしている、非常に頭の良いミュージシャンだと実感しました。
これまでのところ、殊勲賞を差し上げるとしたら、 Green Dayです!!!
一番大きいステージのあるParkways Foundationの雰囲気はこんな感じです。 日曜に演奏するX-Japanもこのステージ。
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3日めの今日の計画はなかなか難しいです。
というのは、YeasayerとX Japanが同じ時間に会場の両端で演奏するからです。観たいバンドは重なる、というのがロックフェスティバルの法則ですね。
会場では携帯を使う人が多すぎて、iPhoneがまったく役立たずになります。5時ごろに夫に「今どこいるの?」というテキストメッセージを送ったら、10時半にホテルに戻ってから届いたというすごさ!したがって生中継ツイッターとかもできないのが残念です。
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