2009年のノーベル平和賞の受賞者はオバマ大統領と決まりました!
(左はMSNBCのニュース速報)
その理由は、"his extraordinary efforts to strengthen international diplomacy and cooperation between peoples."というものです。
差別や敵意むき出しの過激な保守派の政治家やトークショーホストなどに対してもdiplomaticな姿勢を崩さないだけで十分「平和賞」に値すると私も思います。
冗談はさておき、「実績がないのになぜ?」と納得できない方もいらっしゃるでしょう。欧州は、当然のことですが、ブッシュ大統領と当時の米国が象徴する外交姿勢を非常に懸念しています。ですから、武力ではなく外交を重視するオバマ大統領の信念と彼を選んだ米国民を評価した「平和賞」なのだと私は思っています。「米国よ、ブッシュ時代には戻らないでくれ」という願いが込められているかもしれません。
でも、これでまた黒人が大統領として自分の上に立つのが許せない米国民や保守派からの攻撃は激しくなるでしょう。
人間の性とは悲しいものです。だから平和はいつまでたっても実現しないのです
追記:
私が予想したとおり、米国内ではネガティブな反応のほうが多いようです。
上記のエントリーの後、NBC の"Morning Joe"という政治番組を見ていました。
Mika Brzezinski が最初に「The upside is the European community is embracing this president and saying we like the direction that he is taking this country in and it's drastically different," suggested」と私と同様の意見を述べたのですが、結局最後には他の司会者や出演者と同様に「The damage is done.」とオバマ大統領にとって百害あって一利なしという結論に達しました。(私はJoe Scarboroughが好きではないのですが、この意見はそう外れていません)。
そのビデオはここからもご覧になれます。
たぶんオバマ大統領は個人としては賞を受け取らないだろう、というのが多くの人の予想です。
追記:これがオバマ大統領の受賞スピーチです。
オバマ大統領が今日サポーターたちに送ったEmailの内容:
Friend --
This morning, Michelle and I awoke to some surprising and humbling news. At 6 a.m., we received word that I'd been awarded the Nobel Peace Prize for 2009.
To be honest, I do not feel that I deserve to be in the company of so many of the transformative figures who've been honored by this prize -- men and women who've inspired me and inspired the entire world through their courageous pursuit of peace.
But I also know that throughout history the Nobel Peace Prize has not just been used to honor specific achievement; it's also been used as a means to give momentum to a set of causes.
That is why I've said that I will accept this award as a call to action, a call for all nations and all peoples to confront the common challenges of the 21st century. These challenges won't all be met during my presidency, or even my lifetime. But I know these challenges can be met so long as it's recognized that they will not be met by one person or one nation alone.
This award -- and the call to action that comes with it -- does not belong simply to me or my administration; it belongs to all people around the world who have fought for justice and for peace. And most of all, it belongs to you, the men and women of America, who have dared to hope and have worked so hard to make our world a little better.
So today we humbly recommit to the important work that we've begun together. I'm grateful that you've stood with me thus far, and I'm honored to continue our vital work in the years to come.
Thank you,
President Barack Obama
皿ままさん、こんにちは。
そうですよね。Hopeが受賞したようなものなのです。
それにしても、オバマ大統領を失敗させるためであれば母国がどうなってもかまわないといった保守派の態度には理解に苦しみます。
そういう人たちに政権を明け渡したくないという思いが強まりますね。
投稿情報: 渡辺 | 2009年10 月10日 (土) 05:10
保守派の人たちも世界がアメリカに何を望んでいるかをこの受賞を通してわかってくれたらうれしいのになと思いながらニュースを聞いていました。
私はボストンのNPRをいつも聞いているためか肯定的な意見が多かったですが、否定的な意見が多いと知りとても残念です。
そのニュースの中で「オバマ氏はHopeをもたらしただけでもすごい。Hopeには力がある」といったコメントがあり、本当にそうだと思いました。
投稿情報: 皿まま | 2009年10 月10日 (土) 01:13
はちこさん、こんにちは。
不穏な雰囲気が広がっているこの世界、徹底的にポジティブになる人が増えないと怖いことになりそうですよね。
たぶんオバマ大統領にとっては嬉しいよりも迷惑だったと思います。でも「ノーサンキュー」と言ったら大変なことになりますしね。難しいところです。
これに負けないで(というのは変ですが)がんばって欲しいです。
投稿情報: 渡辺 | 2009年10 月 9日 (金) 12:56
あまりに意外だったので、最初は「エっ?」と思いましたが、渡辺さんの記事を拝見し、なるほど、と思いました。
せっかく平和への願いが込められたオバマ氏の受賞を、アメリカ国民自らが批判し、無にしてしまうようなことがあれば、非常に残念ですよね。
大統領本人だけでなく、アメリカ国民全体が、この受賞をハンブルに受け止め、平和について考えていけたら良いのですが…
投稿情報: はちこ | 2009年10 月 9日 (金) 12:00
YOKARO41さん、コメントありがとうございます。
平和のために地道な努力をしている無名の方に取っていただきたかったのはやまやまですが、「世界が平和な方向に向かって欲しい」という願いがこもっていると思うので、なるべくポジティブになりたいですよね。
投稿情報: 渡辺 | 2009年10 月 9日 (金) 08:09
私も肯定的に考えたい立場です、この受賞。
投稿情報: YOKATO41 | 2009年10 月 9日 (金) 07:23