対象:中学生から高校生/ファンタジー
書評 by Moeさん(小4)
HathinとLostである姉のArilouは平和な毎日を送っています。ところがLostは次々と殺されてゆきます。とうとう残ったLostはArilouだけ。誰がこの陰謀のリーダーなのか、なぜArilouだけが生き残ったのか、Hathin たちは真実を突き止めるために危険な旅に出ます。。(村の全員が殺され、生き残るために逃げます)
この本は、私が今まで読んだ中で一番お話に入り込むの難しかったです。なぜなら複雑な民族の歴史が書いてあったり、覚 えきれないほど色々なキャラクターが登場したりするからです。でも、冒険の所に入るとページを捲る手が止まりません。しかし新しい冒 険が再び始まると、その説明がまたもや難しく、入れなくなってしまいます。
私が一番心に残った場面は、Pigeonをたどっていけばそのリーダーに着くとHathinが知って、Therrotと喜 びあっている所です。そこには、but when he looked into her eyes, his smile was uneasy, as if he saw something there that troubled him.と書いてあって、そこが奥深いな~と思いました。私の考えは、もうTherrotはHathinの事をすっかり妹と思ってい て、その妹に危険な目にあってほしくないと思っただろうというものでした。作者は、そのような気持ちの変化が、現 実のように書いているので感心しました。
村と村の関係や、民族の説明を詳しく、美しく描いた本です。冒険や裏切りなど、意外な展開があるので、たとえ入りにくく ても、飽きることはありません。これをシリーズ物にすると、かなりのディーテールになると思います。
conspiracyなど、今まで知らなかった難しい言葉がでてきたり、Nundestruth語の会話は、文 法がめちゃくちゃだったりしますが、全体的には楽しく読めると思います。
Moeさんが描いたGullstruck島の地図
渡辺のメモ一応中学生から上の子どもが対象の児童書ですが、大人でも入り込みにくく、読み進めにくいファンタジーです。登場人物が多く、その名前が一般的ではないだけではなく、島の歴史、他民族の特長、火山(まるで人物のように描かれている)の歴史と性格...といった背景が非常に入り組んでいます。これについては私のレビューを参考にしてください。
Moeさんの年齢ではネイティブの子どもでも読みにくい本なのですが、『挑戦したい」ということで3週間にわたってディスカッションしてみました。「本を読む人にとって地図があると良いかもしれない」という私の意見に応じて、Moeさんが地図を書いてくれました。なかなか素敵な想像力だと思います。
この本を読んだ方もぜひ自分の地図を作ってみてください。
コメントありがとうございます。
私も、素敵な地図だと思いました。
受け身で読むだけでなく、想像力を働かせて能動的に読む、という感じですね。
投稿情報: 渡辺由佳里 | 2010/05/21 04:33
書評を読んで読みたくなりました。それに、何よりMoeさんの描いた地図が素晴らしい!地図を見ているだけで「面白そう…」と思えてしまいます。カラフルで美しい地図です。
投稿情報: Keny | 2010/05/20 23:26